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January 28, 2005

リトアニア(小国はいかに生き抜いたか)

タイトルの本(NHKブックス)を読み終えた。

リトアニアという国には2003年に個人旅行で訪れた事がある。(その時の旅行記もそのうちにアップするだろう。)
この本は「小国はいかに生き抜いたか」というタイトルから、ソ連占領下でどのような形でリトアニアが民族色を失わなかったか、という内容を想像していたが少し異なっていた。ソ連の占領(1940年)によって特に受難をこうむったリトアニア人たち(主に上流階級・知識人)が、再度の独立(1992年)までどのような苦労を乗り越えてきたか、という体験談が主である。

それにしてもソ連の占領政策は過酷そのもので、まず大臣、教授を初めとする知識人階級、国を支えていた富農、将校クラスの人たちは、ほとんどが逮捕・拷問あるいはシベリア流刑。第二次大戦終了時から独立を目指して活動を続けたパルチザン数万人も、その大半はKGBによる逮捕・流刑あるいは処刑に遭っている。

リトアニアという民族はせいぜい数百万人の小さな集団だが、その中核となる部分が根絶やしにされてしまったわけである。ということは昔の旧リトアニア共和国(1919年-1940年)と比べると、今の共和国はある部分がすっぽり抜けてしまっているのかもしれない。この「断絶」は普通には起こらないだけに特に恐ろしいものがある。奴隷貿易で社会が破壊されてしまったアフリカのようだ。それがつい最近、それもここヨーロッパで起こっていたとは...。

この前の旅行のときは丁度EU加盟に向けた国民投票の前で、首都ヴィリニュスの旧宮殿(?)の案内をしてくれた老人が、「ソ連はいなくなったけれども、次はEU加盟でドイツがやってくるかもしれない。」と恐れていたのを思い出す。また「命のヴィザ」を発行した杉原千畝で有名なカウナスの街では、トイレのチップをちょっと払い忘れただけで管理人のオバサンに腕をわしづかみにされた。これはいかにも旧共産圏国にありそうな、権威主義的な粗野な振る舞いだ。この国はきっと偶々その地理的な背景からソ連に占領されてしまったため、その歴史と進歩が大きく狂わせられてしまったのだろう。これからの再建と発展を祈りたい。

<ヴィリニュスの大聖堂と鐘楼>

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