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February 13, 2005

ビゼー 歌劇「カルメン」

デュッセルドルフにあるライン・ドイツ歌劇場(Deutsche Oper am Rhein)に行って見てきた。
オペラはヨーロッパに来てから見るようになったので、まだ10回も生の演奏は見たことがなく、オペラの代表作である「カルメン」でさえも今回が初めての経験だ。47.50ユーロ(約6,000円)の真ん中くらいのランクの席では日本で観ることを思えば安いもので、アリーナを取り巻く3階席のほぼ中央、舞台が良く見える位置だった。

「カルメン」というオペラ
初めて「カルメン」を見て感じたのは、今まで見てきたワーグナーやヴェルディのオペラとは性質が違うということだ。この2人の巨匠の作品は、歴史的な物語や神話を題材にした崇高な愛をモチーフにしたグランド・オペラというか壮大なスケールのものが多い。その一方でこの「カルメン」は歌劇というより「お芝居」あるいは「ミュージカル」の色合いが濃い。元々「せりふ」と歌の組み合わせだったものを、作曲者の死後にせりふをレチタティーヴォに直した版が広まったと言う。驚くべきことに主役のカルメンでさえも歌い聞かせるアリアがほとんど一曲もない。その一方でジプシー系の踊りの場面や沢山の子供たちの一生懸命な歌や踊りが印象的で、より芝居・ミュージカル的に感じさせる。ビゼーはフランスの作曲家で、ドイツのワーグナーやイタリアのヴェルディとは違う世界を展開しようとしていたのであろう。パリで時代を先取りしていたのかもしれない。これらを全て同じ「オペラ」という枠組みの中で比較するのは難しいと言うか失礼という感じだ。

ライン・ドイツ歌劇場
このオペラ座はデュッセルドルフとデュイスブルクという二つの町の合同オペラ座で、公演もその2箇所で行なわれている。今回聞いたのは2回目で、レベルとしてはまあ「おらが街のオペラ座」という感じか。まずオーケストラは日本のアマチュア・オーケストラの上位相当で、楽器の響き全体があまり厚みのない演奏になっている。技量の方も今ひとつで、例えば前奏曲の「後打ち」もあまり合っていなかったし、ソロも心もとない。歌の方もドン・ホセとミカエラはまあ及第点だが、肝心のカルメンはあまり声が出ていなくて力不足か。またエスカミーリョも今ひとつ。(この役って実は出番が極端に少ないんですね。) 幕間で幕が完全に下りる前に死人役の人が動き出しちゃったりするのも素人芝居っていう感じだ。その中で子供たちの合唱と演技は光っていた。昨年末に聞いたウィーン国立歌劇場と比較するのは酷だけれど、ドイツの一地方を代表するオペラ座ならば、やはり「おらが町のオペラ座」から有名になったドレスデンやミュンヘンのレベルを目指して頑張って欲しい。

題目カルメン (Carmen)
作曲者ジョルジュ・ビゼー
主な配役カルメン:Kammersängerin Marta Marquez
ドン・ホセ:Sergej Khomov
エスカミーリョ:Heikki Kilpeläinen
ミカエラ:Victoria Safronova
指揮者・オーケストラBaldo Podic指揮 デュッセルドルフ交響楽団
ライン・ドイツ歌劇場合唱団
場所ライン・ドイツ歌劇場 (デュッセルドルフ)
日時2005年 2月12日(土) 19:30-

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