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August 22, 2005

五嶋みどり in クロアチア

先々週に夏休みの旅行でドブロヴニク(Dubrovnik)という地中海に面したクロアチアの街に行ってきた。ここは人口数万の小さな街だが、「アドリア海の真珠」と形容されるほど古い街並みが青い海に映えて人気のあるリゾート地になっている。そこでは毎年「Dubrovnik Festival」という音楽祭が開催されていて、丁度良いタイミングで五嶋みどりのコンサートに行くことが出来た。プログラムはこちらの通りだが、由緒ある宮殿のホールを使ったなかなかお洒落な演奏会だった。最後のチャイコフスキーの2曲(「メロディー」と「ワルツ・スケルツォ」)にはとても引きつけられたが、前半の2曲(モーツアルトとラヴェルのソナタ)の対比も素晴らしかった。

丁度五嶋みどりの母親の伝記「母と神童―五嶋節物語」を読んでいたところなので、演奏とは別に五嶋みどりの生い立ちというかメイキングにもとても興味深い点がある。例えば日本以外では彼女は「Midori」と名乗っている。これはひとつには離婚した父親の姓をあまり使いたくない母親の意向が汲み取れる。この五嶋節という人も相当な腕前のバイオリニストで、日本の閉鎖的な音楽界を飛び出してニューヨークで母娘一体になって相当頑張った。そういえば小沢征爾も日本からはある意味追い出されて海外で成功を収めている。スポーツもそうだが、音楽もどんどん世界に出て行かないと本当のレベルが上がらないのかもしれない。

また五嶋みどりはこれだけ有名なのに、メジャーなコンクールには一度も優勝していない、というか参加もしていない。これは彼女のジュリアード音楽院での恩師ディレイ女史のポリシーに拠るもので、コンクールでの優勝が華やかなキャリアを約束する物でないことを証明している。

コンサートが始まる前に食事をしていたら、街角を愉しそうに散歩している五嶋みどりが偶然脇を通り過ぎた。あまりの突然で、何もコンタクトできずちょっと残念。まあ本番前の折角の自由時間だったので、邪魔しなくて良かったということにしておこう。

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