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August 30, 2005

ベートーヴェン・オーケストラ

昨日もコンセルトヘボウの「Robeco サマーコンサート」に二日連続で行ってしまった。しかも演目は前日と同じモーツアルトのコンチェルト+ベートーヴェンのシンフォニーという組み合わせ。ベートーヴェンの故郷ボンのその名も「ベートーヴェン・オーケストラ」というので、本家本元がまさに定番の「運命」をいかに演奏するかを聴きに行った。

日時: 2005年8月29日(月) 20:15~22:10
曲目: ベートーヴェン: 序曲「プロメテウスの創造物」 Op.43
モーツアルト:ピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調 KV.595
ベートーヴェン: 交響曲第5番ハ短調 Op.67
演奏: Beethoven-Orchester Bonn、指揮: Roman Kofman
場所: Het Concertgebouw (Amsterdam)

まず驚いたのがピアノ独奏者の Ingrid Haebler という方が、相当のおばあちゃんだったことだ(1929年生まれ)。コンセルトヘボウのホールは舞台斜め後ろの長い階段の先に扉があって、そこから独奏者と指揮者が降りてくるのだが、この方は舞台脇下の短い階段から足元がおぼつかない歩きで登場。それだけでおばあちゃんに敬意を表する大きな拍手喝さいが起きた。演奏の方は勿論おぼつかない所などは無く、慣れた感じでまろやかなサウンドを聞かせてくれる。KV.595は初めて聴いたが、2楽章はかなり有名なメロディだ。演奏が終わったら当然のようにオランダ人お得意のスタンディング・オベーションになった。

さて肝心の「運命」の方はというと、出だしの「ジャジャジャジャーン」は合っていたが、その次の「ジャジャジャジャーン」では頭が揃わない。やはりこの曲は本家のプロでも合わせるのが難しいのか。この冒頭の動機はこの日のプログラムでも「最も有名なクラシックのフレーズ」として紹介されていた。この点は日本でも共通だ。昨日のブロムシュテットの「第7」の重たいイメージをまだ引きずっていたせいか、この「運命」は意外と淡白に進んで終わった。何箇所か?な所はあったが、全体として「ベートーヴェン・オーケストラ」の名前には恥じないレベルだったと思う。

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August 29, 2005

お聴き得な演奏会

昨日の続きになるが、UITMARKT2005を見たついでにコンセルトヘボウに立ち寄ってみたら、お得なプログラムが組まれていた。

日時: 2005年8月28日(日) 20:15~22:10
曲目: モーツアルト:協奏交響曲 変ホ長調 KV.364
ベートーヴェン: 交響曲第7番イ短調 Op.92
演奏: Rotterdams Philharmonisch Orkest
独奏: Mihaela Martin(Vn.), Nobuko Imai (Va.)、指揮: Herbert Blomstedt
場所: Het Concertgebouw (Amsterdam)

ブロムシュテットは有名なライプチヒ・ゲヴァントハウスの音楽監督で、NHK交響楽団でもタクトを振っていた。もちろんロッテルダム・フィルも一流だ。更にアムステルダム在住の今井信子さんのヴィオラが聞けてたったの25ユーロ(約3,300円)。更にホールも世界の三本の指に入るコンセルトヘボウ。日本でこれを聞いたら1万5000円くらいは平気でしそうだ。ということで当日券をゲットしてこのコンサートを聴きに行った。

モーツアルトの協奏交響曲は初めて聴いたが、ここでは今井さんによるヴィオラの音色に思わず聴き入った。というのも普段はヴィオラの音はオーケストラの中ではあまり目立たないので、実際にどのような音色なのか、ヴァイオリンとどう違うのかハッキリしていなかった。それが今日は独奏ヴァイオリンとの掛け合いの中でよーく分かるではないか。ヴィオラはオランダ語で「altviool」つまり「アルト・ヴァイオリン」と言われるが、まさにその通りでヴァイオリンのようなキンキンした音ではなく、アルトのような優しい人の声に近くて何だか暖かいものを感じることができた。初めて聴いた二人によるカデンツァもピッタリ合っていてさすがです。

コンサートは更に続いてベートーヴェンの「第7」。今日のこの曲の印象は特に「ベートーヴェン・サウンドでお腹一杯」と言う感じだった。三楽章からほぼ間髪を入れずに進んだフィナーレでは、これでもかこれでもかという具合に力強くメイン・テーマが繰り返さる。あまりのしつこさ(?)に、思わずヴァイオリンなどは一体何小節休めるのかしらと心配になった。巨匠の域に入らんとしているブロムシュテット恐るべし。これだけ聴かされて25ユーロはやっぱり安かった。

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August 28, 2005

カルチャー・シーズン到来

今日アムステルダムの街に出かけたら、丁度UITMARKT2005というイベントがMusium Pleinというコンセルトヘボウの前の大きな公園を中心に行なわれていた。これは「秋からのカルチャー・シーズンに向けての宣伝大会」という目的で、オランダやベルギーのオーケストラや合唱団、劇団などが一斉に出店を出してPRをしている。また公園やホールの何ヶ所かでは、プロモーションの意味を込めた無料のコンサートが開かれていた。

ヨーロッパの人たちは短い夏の間は一生懸命日光浴したりバカンスを楽しみ、それが終わって寒くて天気の悪い季節になると今度はカルチャー(コンサートや公演)に集中する、という生活パターンが出来上がっている。市の主催しているカルチャースクールも大体9月に始まって春に終わる。また同じコンサートでも本シーズン中とサマーコンサート期間中では着てくる服装も違う。そういった意味でとってもメリハリが効いていて良いと思う。

また今日のイベントには色々な人が自由に訪れていて、少しもかしこまった所が無い。芸術というものが生活の中により溶け込んでいることがよく分かった。日本はやはりお正月の新春コンサートに始まり、12月の第9に集約されて行くパターンが確立しているようだが、まだ文化はここよりも「お高いモノ」という感じかもしれない。

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August 22, 2005

五嶋みどり in クロアチア

先々週に夏休みの旅行でドブロヴニク(Dubrovnik)という地中海に面したクロアチアの街に行ってきた。ここは人口数万の小さな街だが、「アドリア海の真珠」と形容されるほど古い街並みが青い海に映えて人気のあるリゾート地になっている。そこでは毎年「Dubrovnik Festival」という音楽祭が開催されていて、丁度良いタイミングで五嶋みどりのコンサートに行くことが出来た。プログラムはこちらの通りだが、由緒ある宮殿のホールを使ったなかなかお洒落な演奏会だった。最後のチャイコフスキーの2曲(「メロディー」と「ワルツ・スケルツォ」)にはとても引きつけられたが、前半の2曲(モーツアルトとラヴェルのソナタ)の対比も素晴らしかった。

丁度五嶋みどりの母親の伝記「母と神童―五嶋節物語」を読んでいたところなので、演奏とは別に五嶋みどりの生い立ちというかメイキングにもとても興味深い点がある。例えば日本以外では彼女は「Midori」と名乗っている。これはひとつには離婚した父親の姓をあまり使いたくない母親の意向が汲み取れる。この五嶋節という人も相当な腕前のバイオリニストで、日本の閉鎖的な音楽界を飛び出してニューヨークで母娘一体になって相当頑張った。そういえば小沢征爾も日本からはある意味追い出されて海外で成功を収めている。スポーツもそうだが、音楽もどんどん世界に出て行かないと本当のレベルが上がらないのかもしれない。

また五嶋みどりはこれだけ有名なのに、メジャーなコンクールには一度も優勝していない、というか参加もしていない。これは彼女のジュリアード音楽院での恩師ディレイ女史のポリシーに拠るもので、コンクールでの優勝が華やかなキャリアを約束する物でないことを証明している。

コンサートが始まる前に食事をしていたら、街角を愉しそうに散歩している五嶋みどりが偶然脇を通り過ぎた。あまりの突然で、何もコンタクトできずちょっと残念。まあ本番前の折角の自由時間だったので、邪魔しなくて良かったということにしておこう。

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August 20, 2005

オランダで活躍中の日本人演奏家

一昨日のコンセルトヘボウ管弦楽団の演奏会でも、舞台上のオケ・メンバーとして日本人の姿を何人か目にした。ヨーロッパの他のオーケストラでも同じように、特にバイオリンの女性を中心に何回か見掛けたことがある。そこでオランダのオーケストラに限って、どのくらい日本人の演奏家が活躍されているのか調べてみた。今はどこのオーケストラもホームページで団員の紹介をしているので、日本人らしき名前をたどる事によって簡単に把握することが出来る。(オーケストラのHP一覧はオラニエ公作成のこちらを参照のこと。)総人口1,600万人の国にしてはメジャーなオーケストラだけで6つもある。


オーケストラ | 日本人 | パート
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ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 | 3 | ヴァイオリンx2、ヴィオラx1
オランダフィルハーモニー管弦楽団 | 1 | ヴァイオリンx1 (併設の室内管弦楽団)
オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団 | 0 |
オランダ放送交響楽団 | 1 | ファゴットx1
ロッテルダムフィルハーモニー管弦楽団 | 2 | ヴァイオリンx2
ハーグ・レジデンティ管弦楽団 | 2 | ヴァイオリンx2
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表がちょっと見難くて申し訳ないが、9名もの日本人が活躍されている。オランダ交響楽団のファゴットを除いて、全て女性でほとんどがヴァイオリンという結果だった。ヴァイオリンは繊細な動きが要求されるので、短距離スピードスケートのように日本人に向いているのかもしれない。そういえば五嶋みどり(ニューヨーク)、庄司紗矢香(ケルン)といった海外を拠点にしたソリストたちも結構いる。ヴィオラ奏者の今井信子はアムステルダムにお住まいで、確か以前はコンセルトヘボウでも演奏していたと思う。このヨーロッパで例えばチューバ奏者にあえて東洋人を登用することもないであろう。

オラニエ公もレベルこそ相当違うものの、一応海外で活動中(活躍中?)の日本人。同胞の皆様の更なるご活躍を期待したい。

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August 18, 2005

コンセルトヘボウのブラームス1番

大分ご無沙汰していたが、久しぶりにアムステルダムのコンサートに出掛けたのでそれをネタにブログを再開してみたいと思う。今度は果たしていつまで続くやら...。


日時: 2005年8月18日(木) 20:15~22:10
曲目: ルトスワフスキ 管弦楽のための協奏曲
ブラームス 交響曲第1番ハ短調 作品68
演奏: マリス・ヤンソンス指揮 コンセルトヘボウ管弦楽団
場所: アムステルダムコンセルトヘボウ大ホール


コンセルトヘボウは7-8月の間はシーズン・オフとして、Robecoという会社を冠にしたサマーコンサートの季節である。余り名の知られていないオケの出演も多いが、今日はコンセルトヘボウをわずか35ユーロで聴けることもあって、会社帰りにトライしてみたところ運良くホール中央の席をゲットすることができた。

「ルトスワフスキって誰?」という感じで余り期待していなかった前半部分は、以外にも緊張感溢れた演奏だった。やはり余り知られていない曲だと楽団員もより集中度が高まるのだろうか。この作曲者はポーランドの人(1913年~1994年)で、この曲も明確なメロディーが少ない30分ほどの現代音楽だったが、ハープ、ピアノ、バス・クラリネット、コントラファゴット等の様々な楽器上を旋律が次々と流れていく感じがして、飽きずに聴くことが出来た。

その反動のせいか、メインのブラームスの一番はアインザッツが微妙に合わなかったり、特に前半部分は今ひとつだった。三楽章では独奏のクラリネットが半拍近くずれたりリードミスするなど「大丈夫?」という感じ。が、さすがはコンセルトヘボウ、フィナーレはカッコ良くまとめてくれて満足の行く演奏で終了した。

やはり生オケのコンサートは良い。特に前半終了時にオランダ人お得意の「スタンディング・オベーション」が登場するほどルトワフスキは儲けものだった。

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