« September 2005 | Main | November 2005 »

October 28, 2005

チェコ国立交響楽団の演奏会

チェコ国立交響楽団の演奏会をユトレヒトに聞きに行った。ユトレヒトはオランダの丁度真中に位置するオランダで4番目に大きい街で、自宅からは車で約45分といった所である。チェコ国立交響楽団はチェコでは3番手くらいのオケだと思うが、オラニエ公の好きな東欧系のプログラムだったので聴きに行くことにした。何故ユトレヒトかというと、このオケのオランダでの演奏旅行で訪れるのはナイメーヘン、アイントホーフェン、ユトレヒトといった地方都市ばかりで、アムステルダムには来ないからである。ここら辺からもこのオーケストラの事項が何となく分かってくる。日本では何故か矢沢永吉のバックオーケストラとして全国ツアーをしたり、フジ子・ヘミングウェイと共演したりと、何かと話題にはなっているらしい。

会場の「Vredenburg」はユトレヒト中央駅の直ぐ近くにあるのだが、ここは何だか公民館のような感じの多目的ホールだった。また観客もアムステルダムのコンセルトヘボウとは違って、カジュアルな格好で来ている人も沢山見受けられる。この国を代表する大都市アムステルダムやロッテルダムと比較するのは酷かも知れないが、ユトレヒトには「おらが街のオーケストラ」が存在していないため、立派なホールを建ててオーケストラを応援する環境がまだ十分に育っていないのかもしれない。昔はユトレヒト交響楽団というのが存在したはずだが、今は一体どこに行ってしまたのだろうか。

日時: 2005年10月27日(木) 20:15~22:30
曲目: スメタナ: 歌劇「売られた花嫁」序曲
リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調 S.124*
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43**
チャイコフスキー:交響曲第五番ホ短調 Op.64
ピアノ:Yingdi Sun*, Enrico Pace** 指揮: Daniel Raiskin
演奏: チェコ国立交響楽団
場所: Vredenburg Utrecht

チェコ国立交響楽団の演奏は東欧のオケに良く見られる弦がギコギコした感じの若干薄目のサウンドだったが、それを2人のソリストがそれぞれ別の曲を演奏するという異例のプログラミングでそれをカバーしていた。第一部だけで1時間以上掛かり、更にはその終了時のアンコールでこの二人のピアニストがピアノ連弾を聴かせてくれた。メインはチャイコフスキーの5番だが、技術レベルをパワーで補うような感じでまずまずの出来だったと思う。第二部のアンコールでもスラヴ舞曲を聞かせるあたりは、「チェコ国立」という名前のなせる約束事のようで、夜遅くまで東欧のサウンドをまずまず楽しんだオラニエ公であった。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

October 23, 2005

コンサートチケット料金の内外格差

五嶋みどりがまたヨーロッパに公演に来ると聞いてプログラムを確認してみた。マリス・ヤンソンス指揮のバイエルン放送交響楽団との競演で、プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第一番が11月中旬にミュンヘンで組まれている。オラニエ公は行けそうもないが、その同じ組み合わせの日本公演チケットの値段を見つけてビックリしてしまった。

【ミュンヘン公演】 : 【日本公演・NHKホール】
カテゴリー I EUR 51,00 (7,060円) : SS席 21,000円
カテゴリー II EUR 43,00 (5,950円) : S席 18,000円
カテゴリー III EUR 38,00 (5,260円) : A席 15,000円
カテゴリー IV EUR 31,00 (4,290円) : B席 12,000円
カテゴリー V EUR 26,00 (3,600円) : C席 9,000円
カテゴリー VI EUR 15,00 (2,080円) : D席 5,000円
カテゴリー VII EUR 10,00 (1,380円) : E席 4,000円
カテゴリー VIII EUR 5,00 (690円)

カテゴリーVIIIは立見席なので、座れる席は同じように7段階に分けられている。ところが日本ではほぼ3倍の価格付けがされている。ヨーロッパで日本の食材や本を買うと大体値段は3倍弱になるという感覚があるので、それはそれで妙に納得が行かなくもないが、それにしても少し高過ぎやしないか。

ついでに他のオーケストラの場合をベルリンフィルで比較してみよう。同じサイモン・ラトル指揮のベルリンでの公演はベルリンでは演目にもよるが25~83ユーロということは大体3,500円~11,500円。一方昨年来日した時の東京公演の価格は12,000円~36,000円で、やはり3倍かそれ以上する。それでもこのチケットは発売開始当日に即売したという。エージェントの取り分があり諸経費が掛かるのはわかるが、この値段で完売を続ければ相当な儲けが生まれそうだ。

ヨーロッパではマイナーなオケにもかかわらず、日本公演では高いチケット価格を設定していることも偶に見かける。洋モノに弱い日本はこちらのオーケストラにとってドル箱なのかも知れない。オラニエ公もヨーロッパ在住のうちに行けるコンサートに入っておいた方が良さそうだ。


| | Comments (0) | TrackBack (0)

October 16, 2005

国立公園でサイクリング

今日は天気が良かったので、オラニエ夫人と以前から行く予定だったデ・ホッホ・フェリューウェ(De Hoge Veluwe)国立公園にサイクリングに出掛けた。この国立公園はゴッホのコレクションで有名なクレーラー・ミューラー美術館(Kröller Müller Museum)がある所で、以前に二度ほど美術館に行ったことがある。そこには無料のレンタサイクルがあって、広大な公園の敷地にはサイクリング道が整備されているはずだ。

自宅から車で約1時間で緑豊かな公園の入口に到着。この自然環境への近さがオランダ生活の良いところである。家の近くにも緑はあるが、また少し足を伸ばすだけでこのようなところに行ける。入場料を支払って、自転車がプールされている美術館近くまでまずは約1.5km散歩した。既に季節は秋も深まり、風によって落ち葉がハラハラと降りてくる。地面の上には枯葉に松ぼっくり、更にはどんぐりも沢山落ちていて、まさに秋の自然が一杯だ。

美術館近くには自転車が百台近くもプールされていた。特に窓口で申請する必要も無く、立て掛けられている自転車群の中から適当な物を選ぶ。この簡単さも気に入った。日本だったら絶対に申請の書類とか書かされそうだ。またそこで気がついたのだが、この自転車にはハンドブレーキがついていない。ブレーキはハンドルの下に握るタイプではなく、足のペダルを逆に回すことで止まるフットブレーキというものだ。乗り始めるとついつい両手でブレーキを握りそうになるのだが、そこには何も無い。それを心に念じつつコースを走り始めた。

コース自体も実にオランダらしかった。というのも綺麗に舗装されたコースが全長30km以上も整備されている。それでいて途中には売店やトイレもほとんどなく、ベンチも所々にごくわずか。来ている人たちは皆好き勝手に道端の草地や木陰で三々五々食事をしたりくつろいで楽しんでいる。途中の景色も森や草地に砂地と時々変わるが、展望台があるわけでもなく只ひたすら自転車道が続くだけである。この単純に自転車を漕ぐだけのルートで結局20Km近くも走って、硬いサドルのお陰で尻肉痛になってしまった。

ここに来ているのはオランダ人の家族連れやカップルで、いずれも自転車には小さい頃から慣れ親しんだ「現役」ばかりだ。オラニエ公は途中でかなり疲れてきたが、他の人たちは年配の人でもいたって元気に見える。恐るべし自転車民族・オランダ人。オラニエ公ではとてもかなわないという事が明白だった。今回は秋の自然を楽しんだので、次回は新緑の季節にでも来て、またオランダ人に負けながらもひたすら漕ぎ続けることにしよう。

_015
<自転車道は続く>


| | Comments (0) | TrackBack (0)

October 15, 2005

デスパレートな妻たち

「デスパレートな妻たち(Desperate Housewives)」というテレビ・ドラマがNHK-BS2で始まった。このアメリカ・ドラマは昨年からABC系列で放送されて人気を博し、ここオランダでも毎週オン・エアされている。ブッシュ大統領夫人がインタビューで引用して、「私もデスパレート(絶望的な)主婦のひとりなのよ。」と笑いを取ったことも報道されていた。

リアル・タイムという訳には行かないが、アメリカ・ドラマ好きのオラニエ公も最初の2話を入手して見ることができた。何故このドラマに特に興味を持ったかというと、昔といっても10年ほど前の事だが、その頃流行っていたドラマの出演者がまた出ているからである。10年前には若きヒロイン・ヒーローだった彼等が、今また中年のパパ・ママ役で生き生きと演技している。

役名(今回の役) : 俳優 (以前の役)
ブリー・ヴァン・デ・カンプ(カリスマ主婦) : マーシア・クロス (「メルローズ・プレイス」の女医キンバリー)
スーザン・メイヤー (離婚中の童話作家) : テリー・ハッチャー (「スーパーマン2」のヒロイン)
トム・スカーブ(リネットの夫) : ダグ・サバント (「メルローズ・プレイス」のマット)

彼等は丁度オラニエ公とも同世代で、ちょっと大袈裟だが昔の仲間にまた会えたような気がして何となく嬉しい。自分もまた彼等と同様にこの10年で成長してるのか?というと、これはまた疑問である。それはさて置きコメディーでもありミステリーでもあるストーリーの行方に、これからも目を離すことは難しそうだ。明確なキャラクター設定と次々と展開する軽快なストーリー、これはまさに典型的なアメリカドラマである。今後の彼等の活躍と話の展開に大いに期待したい。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

October 14, 2005

オルガン交響曲

コンセルトヘボウのホールにはパイプオルガンが据え付けられているが、今まで一度もその音色を聞いたことがない。前に聞いたマタイ受難曲等ではパイプオルガンではなく、リードオルガンを使っていたと思う。この日のプログラムにオラニエ公お気に入りのサン=サーンスのオルガン交響曲を見つけたので、オラニエ夫人と二人して出掛けた。

日時: 2005年10月14日(金) 20:15~22:10
曲目: ベートーヴェン: 交響曲第6番ヘ長調 Op.68「田園」
サン=サーンス:交響曲第3ハ短調 Op.78「オルガン付き」
指揮: Chung Myung-Whun (チョン・ミュン=フン)
演奏: Koninklijk Concertgebouworkest (王立コンセルトヘボウ管弦楽団)
場所: Het Concertgebouw (Amsterdam)

座席はヴァイオリン奏者の上方のステージ裏だったので、指揮者と弦楽器を右に管楽器を左にという普段にはない面白い配置で聴くことになる。チョン・ミュン=フンはこれで2回目だが、この座席のお陰でその指揮振りが良くわかる。細かいところまで刻んだりはせずに、全体の抑揚をイメージしながらメリハリをつけて指示する感じだ。これではある程度のレベルのオケでないと合わせるのが難しそうだ。田園交響曲はまさに「田園」というイメージが湧く良い演奏だったが、所々で頭出しが若干ずれるのが気になった。

休憩後にいよいよオルガンの出番である。まず驚いたのはこのオルガン交響曲の編成の大きさだ。チェロは10本、コントラバスも8本、コントラファゴットやバスクラリネットの姿も見られる。曲が始まると音量は田園交響曲の2倍近くにも感じられた。

第一楽章の後半からオルガンが登場するのだが、いきなり地響きのような低音が、このステージ裏の席やその木の床あるいは壁に共振して、耳の奥底にまでズーンと響いてくる。これは大きな驚きだった。またオルガン奏者の動きも間近で見ることができ、彼は口でメロディーを歌いながら一生懸命弾いている。第二楽章の後半部(フィナーレ)では、更に気合を入れてペダルを力強く踏んで低音を響かせる。更に高音のメロディーも歌うように奏で、この上なく演奏は盛り上がって曲が終了した。

このコンサートでは、オルガンの音色に床を通じての共鳴・振動を体感し、更には演奏者を視覚的に捉えることができて、このダイナミックな交響曲を十分に堪能することができた。期せずしてとても得をしたような気分である。というのも先週チケットを買いに行ったら偶々このステージ裏の席しか残っていなかったので、まさに「残り物に福」という感じであった。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

October 09, 2005

I amsterdam

今年のオランダの秋は例年になく暖かく、風も強くないためにまだコートなしでも外出できる程の気候である。という陽気に誘われて、オラニエ夫人と久し振りにアムステルダム市内散策に出掛けた。その時にコンセルトヘボウと国立美術館の間にある大きな公園「Museumplein」で見つけたのが、このタイトルにもある大きなサインだった。

_0421

「I am」と「Amsterdam」をもじっているのだが、これはアムステルダムの観光キャッチフレーズらしく、ここ一年ほどの間色々なところで見掛けられる。コンセルトヘボウの正面にも大きく掲示されているし、「I amsterdam Card」という公共交通機関や美術館の割引券も売られている。「I Love New York」のような定着を目指しているのだろうが、何だかその発想の単純さに笑えてしまう。とてもスマートとは言えないが、親しみを覚えさせるフレーズだ。

そういえば昔ニューヨークはオランダの植民地で、その名もニューアムステルダムと言った。でもそこはイギリスの手に渡った後、今日に見る繁栄を築き上げた。もしそのままオランダが保持していたら、今頃世界中でオランダ語を喋る人の数は何億人にも上っただろう。まあそうならないところがオランダの可愛さでもあり、親しみを覚えるところでもある。「I amsterdam」に栄光あれ!

| | Comments (0) | TrackBack (0)

October 08, 2005

リトアニア旅行記

先月書き上げた「エストニア・ラトヴィア旅行記」に引き続き、「オラニエ公のホームページ」に「リトアニア旅行記」をアップした。ここには2003年の4月に行ったのだが、「エストニア・ラトヴィア旅行記」に続いて「バルト三国旅行記」を完成させねばと、写真とガイドブックを頼りに遠い記憶を呼び覚まして書き上げた。

第1日: アムステルダム - ヴィリニュス、カウナスへ移動、杉原記念館
第2日: カウナス・近郊の観光 - ヴィリニュスへ移動
第3日: トラカイ城へのエクスカージョン - ヴィリニュス市内観光
第4日: ヴィリニュス - アムステルダム

この旅行はまだEU加盟前の旧ソ連共和国に、パッケージツアーではなく完全な個人旅行で行ったということで特に強く印象に残っている。果たして安全な旅行ができるのか、食事はちゃんと食べられるのかといった根本的な疑問を抱きながら出掛けたオラニエ公一行だったが、幸いにしてそういった心配は一切無用で、天気にも恵まれて十分旅を楽しむことが出来た。

特に「日本のシンドラー」こと杉原千畝が、数千人のユダヤ人にヴィザを書き続けた旧日本領事館(現杉原記念館)を、この眼で見ることができて本当に良かった。その他にもナチスの強制収容所にもなった第九要塞博物館や、中世の大国リトアニアを髣髴とさせるヴィリニュスの大聖堂をはじめ、ちょっとマイナーではあるが歴史の現場を自分の足で辿ることができて満足した旅行だった。

リトアニアに興味のある方はこちらのページを参照されたい。

Lith0501

杉原記念館入口(カウナス)

Lith0751


大聖堂(ヴィリニュス)

| | Comments (2) | TrackBack (0)

« September 2005 | Main | November 2005 »