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February 26, 2006

モーツアルト・イヤーの陰で

今年は言わずと知れたモーツアルト(1756~1791)の生誕250年に当たり、彼の作品がその誕生日(1月27日)前後から続々とコンサートやTV番組で紹介されている。日本のNHK-BS2では「毎日モーツアルト」と言って、彼の曲を最初から1曲ずつ紹介なんていう番組もスタートしたようだ。この番組は彼の命日である12月5日にレクイエムを流すまで続くのだろうか。1月生まれで12月に没というタイミングはまさにこの手の企画にピッタリだ。

一方この陰でその他の幾つかの記念イヤーが埋もれてしまっていることをご存知だろうか。今年2006年はそれ以外の年でもあるのだ。

シューマン(1810~1856)没後150年
ショスタコーヴィチ(1906~1975)生誕100年

今年のコンセルトヘボウのサマーコンサートの中で彼らは取り上げられてはいるが、インパクトはどうしてもモーツアルトに負けてしまいちょっと可愛そうだ。しかもこの状態は今後50年毎に未来永劫繰り返されるはずだ。シューマンの命日は7月29日、ショスタコーヴィチの誕生日は9月25日。少なくともこの日は彼らのことを思い出して、その偉業に敬意を払いたい。

ちなみにオランダでは画家レンブラント(1606~1669)の生誕400年ということでイベントが行なわれている。これはクラシック音楽とは分野が違うので、却ってモーツアルト生誕250年と相乗効果がありそうな雰囲気がする。

生没年という偶然の成せる業だが、当の本人達にはあずかり知らないことなのであまり気にする必要も無いということか。


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February 25, 2006

交響曲第14番「死者の歌」

昨夜今年初めてのコンセルトヘボウでの演奏会を聞きに行った。ゲンナジー・ロジェストヴェンスキーという名前に釣られたのだが、残念ながらキャストが変更になっていて彼の姿は見られずじまい。1970年代から旧ソ連で活躍した大家だけに正直言ってガッカリした。彼は一体今何処で活躍しているのだろうか。

そうは言っても折角コンセルトヘボウまで行ったのだから、今まで一度も聞いたことの無いショスタコーヴィチの3つの作品を聴くことにする。随分前から売り切れになっていたコンサートだったが、指揮者が代わったせいか意外と空席が目立っていた。

日時: 2006年 2月24日(金) 20:15~22:15
曲目: ショスタコーヴィチ: 弦楽のための二つの小品 Op.11
同 : ピアノ協奏曲第一番ハ短調 Op.35*
同 : 交響曲第14番ト短調 「死者の歌」 Op.135**
ピアノ:Alexander Melnikov*, トランペット:André Heuvelman
メソ・ソプラノ:Ann Murray**, バスーバリトン:David Wilson-Johnson**
指揮: Roman Kofman, 演奏: アムステルダム・シンフォニエッタ
場所: コンセルトヘボウ大ホール

ピアノコンチェルトなのにトランペットが入っているのも驚いたが、この日のメインの「死者の歌」はかなり普通では無い交響曲だった。ソロ歌手が2人交代で歌い続けるのだが、全部で楽章が11もある。これは「交響曲」ではなく「歌曲集」あるいは「組曲」として扱ったほうが自然ではないか。ショスタコーヴィチの他の交響曲でも3あるいは5楽章のものは聞いたことはあるが、この11楽章から成る歌を「交響曲」としたのには何か背景があるのだろうか。

曲自体はその名前の通りヨーロッパの著名な詩人(ロルカ、リルケ等)の「死」に関する詩に次々と曲を付けている。そのため全体の感じは荘重かつ重々しく、暗い曲調が果てしなく続く。11曲目のリルケの詩も英訳によると「Conclusion」ということだが、以下のメッセージで結ばれている。

死は偉大な存在である。
我々は笑いながらもそれからは逃れられない。
生きている間でもそれは泣き声を上げている。

とても美しい曲ではあったが、ここまで「死」を連発されるとさすがに気分が滅入ってしまったオラニエ公であった。

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February 19, 2006

新世界交響曲のシンバル

今日は久し振りにロッテルダム・フィルハーモニーの演奏会を聴きに出掛けた。
題目はドヴォルザークの「新世界交響曲」がメインだ。やはり個人的な嗜好のせいで聴きに行く演奏会の大半は東欧系のシンフォニーが多くなってしまう。だがドヴォルザークの代表作「新世界」を生で聞くのは記憶のある限り初めてである。

日時: 2006年 2月19日(日) 14:15~16:30
曲目: ブラームス: ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a
シューマン: チェロ協奏曲イ短調 Op.129*
ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調 Op.95 「新世界から」
チェロ:Thorleif Thedéen*, 指揮: ヴァシリー・ペトレンコ
演奏: ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団
場所: de Doelen, ロッテルダム

この曲はオラニエ公がその昔小学生の頃LPレコードでフリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団(RCA)の演奏を繰り返し聞いた記憶がある。今から思えばかなりダイナミックな演奏を聞いていたのだが、家のステレオが旧式だったため第二楽章の最後などはノイズ半分でいつ終わっているのか聞き取るのが大変だった。勿論今日はその部分では澄んだコントラバスの音色を聞くことが出来て満足。全体としては指揮者がロシア出身のペトレンコのせいか、低音金管は旧ソ連のオケがよく出していたような濁った太い音を奏でていた。こういう響きもオラニエ公好みではあるが、演奏の緻密さという点で見るとやはり昨年末に聞いたバイエルン放送交響楽団やベルリン・フィルと差が出てしまう。

またこの曲に関係して昔ドラマで「ああ新世界」というのがあった(どうも東芝日曜劇場だったらしい)。第四楽章にたった一回鳴らすだけのシンバルの出番をその奏者が緊張のあまり忘れてしまうというストーリーだったと思う。今日はこのシンバル奏者の動きにも注目した。大編成だが打楽器はティンパニx1とこのシンバル奏者だけだ。ずーっと手持ち無沙汰に待っていたこのシンバル奏者は何と第三楽章でトライアングルをおもむろに持ち出し、結構目立つ活躍をしているではないか。そしてフィナーレではたった一度のシンバルを無事鳴らしてその大役を終えた。ドラマとは違って実は彼はシンバル専任ではなかったのだ。ちなみにこれを上手く鳴らさないとその奏者に対して怒りを覚える伝説の指揮者もいるというほど、このたった一度のシンバルは有名な話なのである。

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