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March 21, 2006

ウラディミール・フェドセーエフ健在

ふとしたことから フェドセーエフのオーケストラ公演がユトレヒトの街であることがわかったので、出掛けることにした。実は先週末にフランスのリールという街に行った時にもそこで公演をしていたのだが、残念ながら満席では入れなかった。そこでこのオケのホームページのロシア語を辿ったところ、Утрехт(ユトレヒト)というこの近くの場所が認識できたのだ。それにしてもこのオケはオランダ公演はユトレヒト、アイントホーフェン、エンスヘーテという地方都市のみで、アムステルダムやロッテルダムには来ない。これはよくある地方オケのドサ回りのパターンなので、旧ソ連邦崩壊後の約15年間でフェドセーエフの威光も衰えてしまったのかと心配だった。

ホールは1,200人は収容できるところに、観客は500人くらいだっただろうか。プログラムもショスタコーヴィチの比較的マイナーな作品のみというのも辛いところ。ロシアのオケと言えば数年前に聞いた「ムソルグスキー記念サンクトペテルブルク国立アカデミックオペラ・バレエ劇場管弦楽団」や「ウラル・ロシア管弦楽団」の薄っぺらい演奏が印象に残っているのだが、果たして一体大丈夫だろうか。ステージに置いてあるコントラバスは10本もあるけど色が黒くていかにも古そうだし...、なんという心配は演奏が始まって程なくして吹き飛んだ。

日時: 2006年3月20日(月) 20:15~22:15
曲目: ショスタコ-ヴィチ: チェロ協奏曲第2番ト短調op.126*
ショスタコ-ヴィチ:交響曲第8番ハ短調 Op.65
チェロ:Alexander Kniazev* 指揮: ウラディミール・フェドセーエフ
演奏: チャイコフスキー記念国立アカデミー大管弦楽団 (旧モスクワ放送交響楽団)
場所: Vredenburg Utrecht

まずチェロ協奏曲は独奏者の鬼気迫る演奏振りが印象的だったし、曲としても高音から低音まで幅広く表情豊かにチェロの持つ魅力というのを十分に引き出してくれるものだった。それにしてもこの曲は独奏者が休んでいる時間がほとんど無く、演奏者も大変だなあと思った。

交響曲第8番というのは初めて聞いたが、第5番「革命」にイメージとしては近い感じで、ショスタコーヴィチ独特のあの不安げなサウンドをしっかりと再現していた。特にフィナーレの前半の刀で切るようなフレーズのの連続技は見事。昔のような爆発的なうなりはなくなっていたが、その分第一ヴァイオリン17名というような大編成でも、決して壊れることない落ち着いた演奏を聞かせてくれた。

アンコールにスヴィリドフの如何にもロシア的な小品(ワルツ~「吹雪」)を聞かせる当たりも心憎い。フェドセーエフの公演は1988年のサントリーホールに以来だが、その健在振りがオランダで確認できて幸運だった。

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