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August 30, 2006

身近な歴史を訪ねて -アンネ・フランク

昨日のブログに身近にある歴史の話をしたが、例えばここアムステルダムには、アンネ・フランクの家がある。「史跡」と言うにはあまり年月が経っていないが、今は博物館として毎日長蛇の行列が出来ている。

オラニエ公が気になったのは運河沿いのこの有名な「隠れ家」ではなく、その前にフランク一家が住んでいたアパートである。これは何故かほとんど知られていないが、今でも当時のままにアムステルダムの南地区(Zuid Amsterdam)に建っている。メルヴェデ通り37番地というごく普通のアパートの三階部分で、特に何の看板も説明もなく、普通の住居として人が住んでいる。アンネの話はここオランダではあまり話しにしたがらないようだが(オランダ人が裏切ってユダヤ人を密告した話だからか)、ここの住人はこのことに気がついているのだろうか。

このアパートの同じ建物の大通りに面した一階には、アンネの父オットーが日記帳を買った文房具店が今でも営業している。随分と歴史のあるお店だ。またここから歩いて十分位のところ、RAIという展示会場の近くにアンネの通っていた学校(モンテッソーリ・スクール)がある。カラフルに塗られた壁が目立つこの学校に、アンネ・フランクの名前が刻まれている。

ここの日本人駐在員がよく行く寿司屋さんのすぐ裏には、アンネの姉マルゴーが通った学校が今でもそのまま残っている。そうとは知らずにこの学校の脇に車を停めて、お寿司を食べに行った日本人は沢山いるはずだ。まさに隠れた歴史の跡がこんな身近にあるのである。


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フランク一家のアパート

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モンテッソーリ・スクール

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姉マルゴーの通った学校

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August 29, 2006

ワインと英仏百年戦争

最近オラニエ夫人がワイン好いて、先月もフランスのワイナリーを巡る旅に行ってきたところだ。そこで訪れたシャンパーニュ地方の中心ランスの街でジャンヌ・ダルクの勇ましい騎馬像を発見。昔世界史で勉強した「英仏百年戦争(1337~1453)」の時代に活躍した女傑だ。ところが彼女の名前や百年戦争という名前は覚えていても、実際のところ何がどうなってジャンヌ・ダルクが現われ、最後には火刑にされたのかはわからない。そんな疑問に対して分り易く解説してくれたのが、「英仏百年戦争(佐藤 賢一):集英社」である。この作者は直木賞受賞作家らしく、硬くなりがちな歴史のストーリーを興味深く飽きずに読めるように語っている。

そう言えばこの前に見たNHKの「探検ロマン・世界遺産」で、ボルドーの近くのワイン産地サンテミリオンが紹介されたときに、イギリスから王女が嫁いできたとかいう説明があったことを思い出した。実はこれも百年戦争に関わる史実で、この戦争まではボルドーやアキテーヌ等のフランス西南部はイングランド王国の領地だった。というよりも「文化的にも進んでいたフランスの地域の征服者が建てたのがイングランドで、今のフランス西南部こそがその本土に当たる。」と上述の本に詳しく説明されていた。ボルドー・ワインがイギリスで今でも広く飲まれているのには、こんな歴史的な背景がある。

こうしてワインと英雄が織り成すような歴史物語が、結構身近に存在しているというのがヨーロッパである。訪れる史跡にこと欠かないこの大陸に生活していることは、歴史好きのオラニエ公としては堪らない悦びである。

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ジャンヌ・ダルク像とノートルダム大聖堂(ランス)


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August 28, 2006

オランダ・キンデルダイクの風車

オランダに遊びに来る日本からの友人達をガイドする機会が今まで何度もあったが、一番よく行ったことがあるのはキンデルダイクの風車群ではないだろうか。

世界遺産にも指定された20基近くの風車が運河沿いに立ち並ぶ姿は、オランダらしさを感じてもらうには迫力十分だ。でも行っても実際に回っている風車は0-3基位しかないことを予めご承知あれ。それから難点は時間を掛けて行っても(アムステルダムから1時間)風車群以外に何もないこと。運河沿いを歩いて右手の観光用の風車の中に入って見学。希望者は遊覧船に乗って運河から風車群を見学。それだけである。

先週も行って気がついたのだが、風車の代わりに水を吸い上げている大規模なポンプが見学可能に。そのせいか駐車場が有料(4.5ユーロも!)になったようだ。美術に興味のある人にはデルフト(フェルメールの街)やハーグ(マウリッツハウス美術館)とセットがオススメ。もう10回近くも行ったのでオラニエ公は正直飽きてきました。でもお客様が喜ぶのなら何度でも行きまっせ。

ここと競合するのがアムステルダム北郊にあるザーンセ・スカンスの風車。スケールはずっと小さいが、可愛い土産物屋や木靴工場もあってやはりオランダらしい。でも着いた途端に写真を撮られて帰りに売りつけられたり、あまりにもミニチュアな観光地という感じなので最近は行かなくなってしまった。車で約30分で着くこと、近くのフォーレンダムでの民族衣装を着ての記念撮影とセットにできるのは便利。お時間のない方は是非こちらへ。

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<オランダらしい天気のキンデルダイク>

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August 24, 2006

ユダの福音書を追え

タイトルの本(日経ナショナル ジオグラフィック社)を読み終えた。

この本は1970年代に発見されながらも、二十年以上もの間様々な人手に渡って専門的な解読がされなかった「ユダの福音書」の数奇な運命をたどるノンフィクションである。但しこの発掘から転売、そして解読までのストーリーと、福音書の内容についてが順繰りに現れるので少々読みづらい。「ユダの福音書」そのもの(例えば"正統"な福音書との詳細な比較)については他の本を探して読む必要がありそうだ。

感想としては「ユダの福音書」の内容そのものよりも、それをめぐる古美術商の業界の実態というかお寒い内幕が分かって興味深かった。例えばエジプトにいる古美術商の大半は、そこで発見あるいは盗掘される文化財の価値などほとんど分からず、それがいくらで売れて生活を楽にさせてくれるかだけが関心事だ。だからこのキリスト教の歴史を覆しかねないパピルス文書も、法外な値段を吹っかけて売れないと分かると無造作に銀行の貸し金庫にしまって忘れられ、さらにその間に劣化が急速に進んでしまった。気がついたときにはもうボロボロで、さらに一儲けしようとする輩(アメリカ人)の手によってバラ売りされて一部は散逸してしまったりする。今までの歴史の中でも、このようにして発見されながらも人手に渡って朽ち果てていってしまった史料が沢山あるのだろう。

このストーリー上にはヨーロッパ、エジプト、アメリカの様々な面々が現れるが、その中の大半はこの古文書で一儲けすることばかり考えている連中である。まさにこの古美術の業界というのは、学究を極めようとする一部の学者達とその一方で儲けることしか頭にないハイエナのような商人が混在しているという、極めていびつな世界だ。いかに考古学というものが危うい基盤の上に成り立っているか理解できた。

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August 19, 2006

ベルギー・グルメの中心?リエージュ

リエージュというベルギーの街は、「ベルギー・グルメの中心」というような紹介のされ方をしていたので、何となく上品なイメージを持っていた。ところが実際に訪れてみるとそんな感じは全くしない。見たところや行った場所が悪かったのか、町並みは歴史的な古さではなく、30年位前に建てられたような古い集合住宅のような建物がメイン。町の中心に夕食に出掛けたものの、車を停めた大型駐車場の前には大きなポルノショップといかがわしいネオンが点滅。その周りの雰囲気もちょっとヤバそう。辺りを少し回ってみたが、どこも何となく物騒に感じられる。リッチというかヨーロッパの落ち着いた街という雰囲気はなく、アラブ系や黒人の移民の人たちが沢山いるエリアなのだろう。結局時間も遅かったので滞在中のホテル(Holiday-Inn)に戻って簡単な食事で済ませる羽目になってしまった。

このままでは帰りたくないと思ったので、翌日のランチにお目当てのレストランに再チャレンジすることにした。今日は土曜日で天気も良いせいか、街の雰囲気は随分と違う。前の日にたむろしていた怪しげな人たちの姿も見えず、のどかな昼下がりである。プリンス・エベック宮殿近くの"As Ouhes"というレストランに入る。12時過ぎにお客さんが入り始めたと思ったら、たちまちテラス席は満杯になった。お客さんの雰囲気も上品そうで、ゆっくりとフランス料理を楽しむことのできる所だ。今回もフランス語のメニューと格闘し、オラニエ公は「リモージュ風サラダ」を注文。このサラダは大当たりで、酸味のきいたソースにグリルされたベーコンと茹でたポテトとインゲンがのっているだけなのだが、このソースが特に美味しい。オラニエ夫人のオーダーした「ウサギのビール煮込み」もほろほろの肉にからむソースの感じが程よくこれもまた美味である。

料理二品とグラスワイン、コーヒーをあわせても30ユーロ程度でこのレベルの食事ができるのは、やはり「グルメの中心」リエージュならではのことか。観光は特にしなかったが、この街を改めて見直して帰路に着いたオラニエ公であった。

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リエージュ風サラダ

Rabitto

ウサギのビール煮込み

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August 18, 2006

ベルギーの小さい街デュルビュイ

今日はベルギーのアルデンヌ地方の小さな街デュルビュイ(Durbuy)に来ている。ここは「世界一小さな街」という触れ込みの下、グルメの里として名を馳せているリゾート地である。昼食の時間だったので"La Grande Rue"というレストランで大きな鱒(ます)のバターソテーに舌鼓を打つ。ごく普通のカジュアルなレストランなのだが、魚も脂が載っておりソースがマッチしてとても美味しい。川沿いのテラス席で雰囲気もGood。さすがはグルメの里。

食事を終えて街の中心の方に歩いていくと、家族連れも多く「観光地」であることを認識。中心の広場の周りにはレストラン、観光案内所、土産物屋が並んでいる。灰褐色の石を積み上げた伝統的なベルギー風の建物が並んで、昔ながらの家並みの間をのんびりと散歩できる。以前に行ったことのあるチェコのチェスキー=クルムロフもこんな感じだったことを思い出した。日本語の看板を出しているレストランを発見、都市滞在に飽き足りない日本人観光客も多く足を運んでいるのだろう。

最後にこの街を見下ろす展望台に登ってみた(入場料1ユーロ)。川沿いの小さな村が一望できる。更に街を囲む丘の向こうの上には畑が広がっている風景までも見渡すことができる。デュルビュイの人口は500人ほどというから、確かに小さなかわいい村である。お土産にはこの展望台の近くにある手作りジャム屋さんで、玉ねぎとブラックベリーのジャムとドライハーブ、更にはオラニエ夫人が飲んだ地ビール(Durboyse Triple)を買い上げ。ヨーロッパのいなか街の雰囲気を味わいたいという人にはお勧めだ。

Trout
鱒のディッシュ

Durbuysourvenir
お土産

Durbuyview
展望台から街を見下ろす

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August 17, 2006

オランダ最南端の街マーストリヒト

休暇を利用してマーストリヒトの街にやってきた。ここはアムステルダムからも200Kmも離れたオランダの最南端。この国の領土がベルギーとドイツの間に大きくはみ出している所だ。その地理的な背景もあって、オランダの中ではユニークさが目立つところだ。例えば....

1. 土地に傾斜がある。
オランダ全土どこに行っても丘や坂道はほとんど見当たらないが、この街の近くの風景は丘や森があって立体感がある。高速道路に登坂車線があったのにはビックリ。
2. 背が低い。
背の高いことで有名なオランダ人だが、ここではそれ程でもないという。確かに女性の身長はラテン・サイズの人が多いような...。
3. ワインの産地
オランダ産ワインというのはここにしかない。ぶどうの栽培のまさに北限というべきか。早速買って来た。
4. カトリック
カーニバルで有名な街で、オランダの中ではカトリックの影響が強い。街の中心の聖セルファース教会では、384年にここで亡くなった聖人セルファースの墓があった。歴史もある街だ。

2年前にはカーニバルを見に来たのだが、祭りの喧騒の中でどんなところなのか良く分からなかった。実際に散歩してみると、建物の雰囲気は四角い赤いレンガ造りのみのアムステルダムと違って、三角屋根のあるベルギーに近い感じ。でもお昼に「パスタが食べたい。」なんて思ってレストランを探し回ったが、おいしそうなイタリアンの店はなくてダッチ飯のカフェばかり。その点はしっかりオランダでした。

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マーストリヒト産ワイン

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聖セルファースの墓

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August 13, 2006

KLMオープン・ゴルフ

今日はKLMオープンという男子ゴルフツアーの見学だ。全英や全米オープンがあるように、これは全蘭に相当するオランダでの唯一のヨーロッパ・ツアー公式戦である。ザンドフォールトという北海沿いの街にあるゴルフコースで開催されている。

駐車場代も入れて一人20ユーロというオランダにしてはかなり高めの入場料を払って行くと、そこにはこの国の比較的ハイソというかプチ・リッチ以上の人たちが集まっている、という感じがありありだった。昔の日本がそうだったように、ゴルフはまだお金持ちのスポーツという位置付けなのだろうか。みんな何となく良いものを着ている。協賛各社によるブースにはダイヤモンドを並べた宝石商もいるし、ツアー・スポンサーでもあるローレックスの店の前には人だかりが出来ている。ケータリング業者も普段のダッチのイベントとは違って、作る人や食べる所が上品かな。海外へのゴルフパック旅行をはじめ、ここに集まるオランダの「富裕層」をターゲットにした商戦が繰り広げられていた。よく言えば「質実剛健」、一般には「ケチ」と言われているオランダにもこういう世界もあるのだ。

一方プレイの方は、有力選手を高額賞金のアメリカツアーに持っていかれているので、ヨーロッパ・ツアー公式戦とは言っても知っているような選手はあまりいない。パンフで確認すると優勝賞金266Kユーロ(約4,000万円弱)で賞金総額1.6Mユーロということなので、そこそこのツアーではある。当然のことながら各ホールではティー・ショットやパットの都度、物音ひとつ立てぬようにと緊張感が走る。全盛期を過ぎたとは言えまだ健在なイアン・ウーズナムとコリン・モンゴメリの2人のプレイを見ることが出来て良かった。

帰る間際に練習場に立ち寄ると、明日の最終日に向けて選手達が調整をしている。プロのゴルファーの振りを間近に見ると、本当にスイングは綺麗でしかも面白いようにボールは遠くへ飛んでいく。こんなにゴルフってボールが真っ直ぐ遠くに飛ぶものなんだと何だか納得。オラニエ公には直ぐには真似できないまでも、このイメージを焼き付けて、後日入場料に値するような学習効果(好スコア)が欲しいものである。

Klm_open

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