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November 04, 2006

サイモン・ラトル再び

この前ベルリン・フィルハーモニーで図らずも大接近したサイモン・ラトルにまた会いたいという強い思いから、今日はロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会に出掛けた。ベルリン・フィルの主席指揮者でもある現代の巨匠の一人が、何故ロッテルダムに客演なのかは知らないが、ベルリンまで行かなくてもその生演奏を聞けるというのはまたとないチャンス。普段のゲルギエフ以外の公演だと空席が目立つDe Doelenのホールだが、今日はもちろん熱心なクラシック・ファンでほぼ満員。期待感がみなぎる雰囲気の中でコンサートは幕が開けた。

まずはワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」から「前奏曲と愛の死」。どこまでが「前奏曲」でどこから「愛の死」なのかいつも疑問に思いながらも聞き流してしまう曲だったが、今日は全く別物。切ないと言うか官能的なメロディーが、これでもかこれでもかと繋がって盛り上がり、聴衆を全く別の世界へ連れて行ってしまった感じだ。これ程の哀切な響きをロッテルダム・フィルが珠玉のような美しさで奏でることができるとは驚きだ。さすがはサイモン・ラトル。彼のタクトがオケの潜在力を120%引き出した感じだ。偶々会場に来ていたクラシックに造詣の深い会社の同僚Nさんも、これは絶賛に値するとの手放しの評価だ。

次のマーラーの歌曲集は初めて聞く曲だった。若い東欧系のソプラノ歌手が熱唱。最近のオペラ歌手は昔と違ってスリムで綺麗な人が多いんだなあ、きっとこの子もラトルに見出されて売り出し中なんだろうなあ、なんて思って見ていた。後で家に帰って調べたら、彼女はマグダレナ・コジェナーというチェコ出身の今まさに脚光を浴びているメゾ・ソプラノの歌手。なんとサイモン・ラトルのパートナーだった。オラニエ夫人が「サイモン・ラトルの奥さんって若い人なんだよね。」なんて言っていたのだが、まさにその方だったのである。お互い再婚のようだがお二人の年の差は何歳なのかしら?二人セットで出演という条件に引かれてロッテルダム公演もOKしたりして。

そんな勘ぐりはさておき、演奏会のメインはブラームスの一番。さすがに最初の1-2楽章はオケの音色が「トリスタン」ほどの洗練さを欠く部分もあり、2楽章のバイオリン・ソロが今ひとつだった。しかし全体としてのまとまりというか完成度は高く、特にフィナーレでは再びタクトの魔術が蘇ってきたようだ。「第九」に似ていると言われる主題が重厚なユニゾンで流れ始めると、これがまた例えようも無いほど美しく綺麗に響く。この主題ってこんなに素晴らしかったのかと再認識。サイモンの指示の下各パートが緊張感を保ちつつ最後のコーダに向けて曲は進み、シンフォニックかつ調和の取れた響きで美しくエンディング。鳴り止まぬ拍手の中、ロッテルダム・フィルの楽員たちも床を踏み鳴らしてサイモンを喝采。普段には無い満足感を得られたのであろう。もちろんオラニエ公も、また特に夫人も大満足。こんな体験を37ユーロという入場料でできるのというのはなんと言う幸せなことか。

日時: 2006年 11月 4日(土) 20:15~22:30
曲目: ワーグナー : 楽劇「トリスタンとイゾルデ」から前奏曲と「愛の死」
マーラー : 歌曲集「リュッケルトによる5つの詩」*
ブラームス: 交響曲第1番ハ短調 Op.68
ソプラノ: マグダレナ・コジェナー (Magdalena Kozena)*
指揮: サー・サイモン・ラトル(Sir Simon Rattle)
演奏: ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団
場所: de Doelen (ロッテルダム)

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Comments

いいな~。また聞きに行ってきたんですね。羨ましい限りです。確かにサイモンのパートナーには大接近したことがありましたが、きれいな人でしたね。まだオランダにいるのかな???

Posted by: ろびー | November 06, 2006 at 06:45 PM

彼女の歌が終わった後でサイモンと抱擁した時に、妙に親密度が高いなあと思っていました。一緒にアルバムをリリースするとかしているうちに親密になったようです。

サイモンはベルリンに戻ったようですが、彼女は来週の月曜日にユトレヒトでリサイタルです。

Posted by: オラニエ公 | November 07, 2006 at 10:37 PM

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