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November 27, 2006

イギリスのオケ、ロイヤル・フィル

1週間前のロンドン旅行に引き続き、偶然にもロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(RPO)の公演を聴く機会に恵まれた。今度の場所は”Codogan Hall”という1,000人位が入れるこぢんまりとしたホールで、日本で言う「公会堂」のようなところだ。この前のロイヤル・アルバート・ホール(5,000人以上収容)とは演奏会そのものの雰囲気も大分違う。来ている人もカクテル片手にオシャレと言う感じではなく、地元の年配の方々が中心だ。

今日もピアノ・コンチェルト(ベートーヴェンの「皇帝」)がプログラムに入っているが、独奏者はアルゲリッチのような大御所ではなく、Hee Jin Kimという韓国のピアニスト。大曲である「皇帝」に挑むという感じで一生懸命に演奏をしたが、残念なことにオーケストラとの息が今ひとつ合わない。ピアノを目立たせようとしているのかもしれないが、もう少しオーケストラにも気合を入れてやって欲しいと思った。終演後に客席から拍手と共に口笛が激しく吹かれていたが、これはブーイングなのだろうか?

メインは聞いたことの無いヴォーン・ウィリアムスの交響曲だったので、もう帰ろうとも思ったがついでにということでホールに残った。休憩時間にはどこからか隙間風が入ってきて足元が寒い。ちょっとRPOのホールとしてはシャビーだなあなんて思っていたが、結果として帰らなかったのは大正解。この曲自体ヒースの野原を想像させるイギリス独特の美しい響きがあり、印象的なイングリッシュ・ホルンの独奏を含めて綺麗なメロディーが楽器間を受け継がれて展開して行く。うーんやはりこの感じはホルストを連想させる「イギリス音楽」だ。オケも「皇帝」の時と比べると、みんな集中して美しい響きを出そうと言う強い意志が感じられる。やはりイギリスのオケなので、自国の作品となると(ロシアのオケがそうであるように)気合の入り方が違うようだ。

この曲の作曲年代は1943年。まさにナチス・ドイツとイギリスが死闘を繰り広げていた時代である。そのせいかこの曲にはダイナミックさはないが、その代わり平和を願う作曲者の意志が数々の美しい旋律に乗り移っているようだ。ナチス占領下のフランスでのワイン農家のレジスタンスについての本を丁度読んでいるのだが、その頃ドーヴァー海峡の向こうでは平和を願う音楽が作曲されていたことになる。それで別にどうしたということではないが、そうしたヨーロッパの歴史も体感できた演奏会であった。

日時: 2006年 11月 27日(月) 19:30~21:30
曲目: ウェーバー : 歌劇「魔弾の射手」序曲
ベートーヴェン : ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 Op.73 「皇帝」*
ヴォーン・ウィリアムス : 交響曲第5番 ニ長調
ピアノ: キム・ヒジン (Hee Jin Kim)*
指揮:クリストファー・ウォーレン=グリーン(Christopher Warren-Green)
演奏: ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

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