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January 15, 2007

「人は見た目が9割」

ベストセラーになっている表題の本(竹内 一郎著・新潮選書)を読み終えた。「見た目が9割」というタイトルからは、いかにして見た目をカッコ良くできるかというのポイントが書かれている実用書かと思ったが、「言葉以外」のノン・バーバル・コミュニケーションについての面白い入門&エッセーである。まず前提として人が受け取る情報のうち「言語」はわずかに7%でそれ以外の「顔の表情」「声の質やテンポ」といった部分からが93%にもなるという理論が紹介されている。ようは同じ台詞を喋っても、その人のルックスや態度、感情の方がよっぽど重要であるということ。まあ会社でも同じ命令もその言う人によって「よし、頑張ろう。」となるか「またあんなこと言っているよ。適当にやって置くか。」という風に違って受け取られることはよくある。そうなると結局は人格の話かと思ってしまうがそうではない。この筆者は漫画の心得もあり更に舞台の演出もしているというその道のプロで、「あの人はできる」というよう事前の観念のない「舞台」や「漫画」という客観的な場でのコミュニケーション論を展開している。

人の行動の中で嘘をつかない順序で行くと「言葉」は7番目の最後で、その前に「ジェスチャー」や「仕草」などが並んでいる。つまり言葉づらで嘘をつくのは簡単でも、その瞬間に意味も無く手を揺らしたりおどおどとした表情になりやすい。舞台では逆にその習性を利用してわかり易く演技させるのである。

そこで面白かったのは例えば「浮気」等で嘘をつくときの男女の差。「男は嘘をついた時、目をそらす。やましい気持ちが目に表れる。」ところが「女が 嘘をついたときは相手をじっと見詰めて取り繕おうとする。」確かにそういうものだと納得できるが、結果として一般的に男の浮気の方はばれ易いとのこと。オラニエ公を初めとする男性諸氏はきっとじっと見詰められた上で簡単に騙されてしまうのだろう。まあ「知らぬが仏」という言葉もあるし.....。

それから重要なのが「間」である。「間の読めないヤツ」とか「間の悪い人」というのは存在する。オラニエ公も宴席や会合でそうならないようにしているのだが、あまり意識すると却って逆に出てしまいなかなか難しい。舞台の台詞や漫画でも、途中に大なり小なり間をおくことで沈黙が発生し、「あれこの後どうなるの?」というような形で聴衆のアテンションを引き出してより印象に残るという。まさにこれは会社のプレゼンテーションで単調なものの言い方では、たとえ内容が正しくても誰も覚えていない(そうでなくても忘れることは多いが)ことになるのに通じている。

その他にも情報をより分かり易く伝えるための「色づかい」、その人になりきるための「衣装・コスチューム・制服」、円滑にコミュニケーションを図るための「行儀作法」、シチュエーションに応じた「人と人との距離、位置関係」など、様々な「ノン・バーバル」な要素が重なってコミュニケーションが成り立っているということが、漫画や舞台を初めとする実例を通じて面白く紹介されている。「見た目(=言葉以外)が9割」ということで、普段自分では「正しいことを言っている。」と思っていても、実際には意識していない様々な要素によってそれが本当に伝わっているのかどうか実は非常に怪しいという大事なことを、十分に認識させられた一冊であった。

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