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February 17, 2007

「モーツアルト99の謎」

去年はモーツアルトの生誕250年で、この手の本がそれこそ雨後のタケノコ状態で本屋に次々平積みにされていたような気がする。このような本は初心者向けということで、明らかな間違いを平気で書いている場合も見受けられるが、この文庫本(近藤昭二著:二見文庫)は99もの「謎」というか「トピック」を連ねるているだけあって、かなり専門的だ。

本の内容で面白かったのはモーツアルトの「推定年収」である。彼は「天才だったが経済的には不遇で早世」というイメージがあるが、実は経済的にはかなりの収入があったようである。特に故郷ザルツブルクを捨ててウィーンに出て来た当初の頃はかなりの売れっ子で、作曲だけでなく貴族の館でのコンサートやピアノの家庭教師など、史上初の「自由音楽家」として多忙を極めていた。

・貴族や富裕な商人の子女へのレッスン代 : 約400万円以上/年
・貴族の館での演奏会: 1回最低約680万円(経費込み)x3-6回/年
・作曲料 : 1オペラにつき約300万円 (例:「フィガロの結婚」)
・宮廷作曲家としての報酬 (1787年以降) : 約500万円以上/年

そこで推定される収入を現在の価値に直すとこんな感じで、推定年収は約1,300万円から4,000万円の間にもなるという。今の会社で言えば上級マネージメントから取締役~社長級である。それでは何故晩年にあれほど貧困に苦しんだのだろうか。死んだ時の借金が約2,000万円相当もあったという。妻コンスタンツェの浪費説などもあるが、この本ではモーツアルト本人の「ギャンブル好き」が原因ではないかと指摘している。下手なビリヤードやカードゲーム等でスッてしまったのだという。あの映画「アマデウス」で夜な夜な大ハシャギする姿を見ると、確かに想像はつく。作曲には天才ということは、それ以外は本当に疎いというかルーズということは十分にあり得る。でも彼の音楽がこれだけ万人に受け入れられていることを思うと、人格的にはきっと愛すべき存在だったに違いない。

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