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March 31, 2007

お見送り

ここの所色々とバタバタしてしまい、ブログをアップする時間というか余裕が無くなってしまった。
そうした中ここ1年弱の間親しく近所付き合いを楽しませて頂いた「ろびー&小百合夫妻」が、日本に本帰国してしまったのはオラニエ公&夫人としては大きなショックであった。

週末ともあればろびー家や我が家で他のお友達とともにワイワイガヤガヤと盛り上り、帰宅時間が翌日になることもしばしば。何よりもワインに造詣の深いこの二人のお陰で我が家はフランス料理やワイン文化への関心の刺激を受けて、現地視察を含む勉強を楽しむことができた。オラニエ夫人はお酒を飲む機会に恵まれて幸せそうだったし、オラニエ公も人生最大量のワインを楽しんだ。一緒にベルリンに旅行に行ったこともあった。本当に色々と楽しい思い出をありがとう。

スキポール空港でのお見送りというのは久しぶりだったが、Hall3は帰国のお見送りの日本人でごった返していた。出張や一時帰国、お迎えにお見送り、一体この空港には何回来るとオラニエ公の駐在生活も終わるのだろうか、とふと考える。海外駐在という特殊な環境の中でのお付き合いというのは同じ釜の飯を食べたような親近感を感じるものである。短い間ながらも色々と他の会社の方々とも交流を深めることができるのはとても貴重な経験である。オラニエ夫人にも感謝。

「ろびー&小百合夫妻」は他の見送り組に大きく引き離すこと約40分、ワインの香りと共に空港に到着。ろびーは自分の名前を刻んだオレンジ色のオランダサッカー・ナショナルユニフォームを着て登場。最後まで楽しませてもらった。それからもみんなで話は尽きず、パスポートコントロールを通ったのは出発20分前位だったろうか。

これからも良き友人であり続けたいと思いながら、ちょっとつらいお別れをしたオラニエ公&夫人であった。

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March 04, 2007

「オーケストラの職人たち」岩城宏之著

岩城宏之といえば日本を代表する指揮者として欧米でも有名なマエストロ。NHK交響楽団の終身正指揮者という肩書きを持ち、04年と05年の大晦日にはベートーヴェンの交響曲全9曲を一人で振り抜いて更に有名になった。残念ながら一昨年亡くなられたが、そんな人が「週刊金曜日」というちょっと政治色ありげで怪しげな雑誌に連載していたエッセイ集(文春文庫)である。原題は「裏方のおけいこ」。全く政治の色は無く、マエストロ自身の純粋な好奇心からの取材で得られた、オーケストラの裏方で活躍する諸専門家の紹介である。

・楽器運搬業者(ハープ、ピアノ)
・調律師
・写譜師
・オーケストラ随行医師
・コンサート・ビラ配布業者

こんな裏方さんたちが登場するのだが、著者自身が直接取材に回っているのがポイント。取材に来られた方もさぞかしビックリしたことだろうが、この旺盛な好奇心と現場主義が、常に新しい芸術を生み出し続ける原動力なのだろう。

例えば「田中陸運」という街の小さな運送業者は、戦後間もなく高名なドイツ人ハープ奏者が偶々近くに住んでいて、その楽器運搬をよく頼まれていた。それを契機に様々な楽器運搬のノウハウを蓄えて、現在は日本フィルハーモニー専属の業者兼スタッフになっている。当時は屋根も無いオート三輪でハープを直接クッションの上に載せて運んでいたというから、今からは隔世の感がある。著者は取材のためこの運送会社で一日アルバイトとして働き、知り合いを含む何軒ものお客様を回ったという。

普段コンサート会場で何気なく貰っているコンサート・チラシの束も、実はある会社が配布代行業ビジネスとして始めたという。一回に100枚以上のチラシを束ねてビニール袋に入れて会場で配るという一見単純そうなことでも、機械化された袋詰めの作業や会場であまり音を立てないように開発されたビニール袋、あるいはチラシを配布するタイミングと場所などかなりのノウハウが詰まっている。終演後にはホール内に捨てられたチラシをしっかりと回収するそうである。しかもこのビジネスは関東のみだというのが面白い。関西や名古屋では他のホールの宣伝になるということでコンサート会場が配布を許可しないそうである。

このような興味深いネタは、NHKの番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも紹介できそうだ。この本では、実際にこの裏方さんたちに最大限お世話になっている大指揮者自ら本音で綴っていることが、益々臨場感というかリアルさを加えていて興味深い。「こんなこと言っても良いの?」という感じの話もあり、クラシック・ファンには読んでおいて損はない本である。

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